Love Step
「そろそろ食事に行こうか」



「うん♪お店の料理、全部食べられる位お腹空いたかも 潮風のせいかなぁ」



「そうだね レストランの料理を全部平らげてもいいよ?」



「ゆきちゃんっ!それは言葉のあやで……」



焦る杏梨に雪哉は笑った。



レストランに向かう途中で砂が付いた足をきれいにしてスニーカーとサンダルを履く。



手をつないで寄り添って歩くのがなによりも嬉しい。




ホテルのレストランは5件ほどあったが、2人は明るいインテリアの伊勢海老やアグー豚が食べられるお店にした。



プールサイドの席に案内されて座った杏梨は一息吐いた。



「どうした?疲れた?」



「ううん 疲れてなんかいないよ?すごく幸せだなって思ったの」



辺りはすっかり夜の帳が下りて、テーブルのオイルランプの灯りがゆらゆらと揺れていてロマンチックな雰囲気が漂っている。



はにかんだ笑顔を向けた杏梨に雪哉はこの場でキスをしたくなった。




その代わり、テーブルの上に置かれた杏梨の手を両手で包んだ。



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