Love Step
~~~~♪~~~~♪



突然、携帯電話が鳴って杏梨はビクッと身体を震わせた。



着信の文字を見て肩の力が抜ける。



「ゆずるさん……」



『杏梨ちゃん、今どこにいるの?』



杏梨を気遣う声が聞こえた。



「マンションです……」



『良かったわ 今向かっている途中なの どこにも行かないわよね?』



「ゆずるさんも見たんですか?」



一瞬息を飲む音が聞こえた気がした。



『杏梨ちゃんも見たのね?すぐに行くわ』



そう言うと切れた。



そこへ玄関で音が聞こえた。



ハッとしてソファーから立ち上がると雪哉がリビングに入ってくるところだった。



「ゆきちゃん……」



杏梨が週刊誌を手にしているのを見て雪哉の表情がこわばった。




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