Love Step
その時、インターホンが鳴った。



ピンポーン!



ゆずるだった。



大き目の今流行のサングラスをして入って来たゆずるは真っ先に雪哉の頬にビンタをくらわした。



「ゆずるさんっ!?」



杏梨は驚いてゆずるに近づいた。



雪哉が叩かれたことがショックで杏梨の瞳が潤み始める。




「貴方もカリスマ美容師として売っているからにはこういうことには気をつけなさいと忠告していたでしょう?」



サングラスを外したゆずるが雪哉を睨んでいる。



「ああ 俺が全面的に悪いよ」



「杏梨ちゃんを悲しませないで」



杏梨は胸(心)が痛かった。



記事のショックが今涙になって出てきた。



ポロポロと涙が頬を伝う。



「杏梨……ごめん」



泣かないで……とは言えなかった。



自分のせいで悲しませてしまっているから。



雪哉は泣いている杏梨を抱き寄せた。



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