Love Step

狙われた杏梨

翌日、雪哉は探偵で親友の志岐島に電話をかけた。



『おう!雪哉~ ひどく書かれているな~?』



間延びした声が聞こえてきた。



その声は少し笑いが含まれているように聞こえる。



「もしかして面白がっている?」



雪哉が冗談交じりに聞くと志岐島は大きな声で「ガハハッ」と笑った。



『モテル男は辛いな~?女優の美咲?あんな良い女と お前、世間の男から反感かってるぞ?』



「記者が杏梨を狙っているんだ」



志岐島の言葉を無視して言葉を続けた。



『あらら それは可哀想だな』



9月に入ってから琴美の尾行はとりあえず終わっていた。



「杏梨もかなり参っているんだ マスコミを近づかせないで欲しい」



『その仕事、新人に任せて良いか?ちょっと離れられない仕事がはいっているんだ』



「ああ マスコミを近づかせないで貰えばいいからかまわないよ」



『じゃあ、今日から張らせるよ』



「よろしく頼むよ」



電話を切ると、好奇心いっぱいの客の元へ戻った雪哉だった。

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