Love Step
* * * * * *



杏梨は放心状態でマンションまでどう帰ったか覚えていなかった。



はっきりした時は自分の部屋のベッドの上にいて寝かされようとしていた。




「ぃ……いや……」



雪哉を押し退けるようにしてベッドから転がるように降りる。



床にペタンと座った杏梨は立ち上がらずに、ブラウスの上から胸をかきむしるような仕草をした。




「気持ち悪い」



意識がはっきりすると、あの男に触られた場所が不潔に思えて洗い流したかった。




「お湯をためてくる」



かきむしる手を止めれない。



止めさせても言う事を聞かないだろう。



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