Love Step
お気に入りのピザが届けられると杏梨はたくさん平らげ雪哉を安心させた。


こんなに華奢な身体なのにいつもながら驚いてしまう。


「ご馳走様でした♪」


立ち上がって片付けようとするとゆきちゃんに止められた。


「先にシャワー使うといいよ ここは片付けておくから」


「でも……」


「いいから 傷口に気をつけてな?」


「うん」



足の傷が濡れないようにビニールを貼り付けた。


でも早くしないとテープがはがれて濡れてしまう。


杏梨は手早くシャワーを浴びた。


髪の毛を乾かしている時にふと手が止まる。


鏡に映る自分が嫌になる。



まるっきり男の子みたい……。


髪を伸ばしたらゆきちゃんはわたしを女の子として見てくれるかな……。


いつの間にか雪哉の前では女の子らしい姿でいたいと思っていた。


ゆきちゃんの周りにいる女性はきれいで女らしく自信に満ち溢れた女性ばかり。


わたしなんか比べるに値しない。



杏梨は思いため息を吐くとパウダールームを出た。




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