Love Step
「杏梨!?」
杏梨に抱きつかれて雪哉は面食らった。
震える手で抱きつかれ、愛おしさがこみ上げる。
雪哉はためらった後、華奢な身体を抱きしめた。
「ゆきちゃん……なかなか来てくれないんだもん……」
やっと聞こえるくらいの小さな声で杏梨は呟いた。
「ごめん でもちゃんと来ただろう?」
雪哉の肩に顔を埋める杏梨は小さくかぶりを振る。
「違うの……夢……」
夢か……。
どう答えたら良いか迷っていると杏梨が顔を上げて雪哉を見た。
「でも本当に来てくれた」
涙の後が残る顔で笑う杏梨は無理に笑っているように見えた。
「杏梨……」
片方の手を杏梨の髪に滑らす。
「ゆきちゃん……もう……わたし……こんなの嫌なの……」
杏梨は今日の夢を見てはっきり分かった。
このままではあの出来事を忘れる事が出来ない。
だったらあの男がしようとしていた事を……ゆきちゃんに……忘れられる気がした。
「辛いのは分かるよ こういう事は時間がかかるんだ」
姉のゆずるに言われたとおり雪哉は焦りたくなかった。
杏梨は雪哉と反対の考えに囚われようとしていた。
「もう時間なんてたっぷりすぎたのにっ!全然治らないでしょう!」
「杏梨?」
「ゆきちゃん……お願い わたしと……して……」
杏梨の言葉は衝撃的で雪哉は唖然となった。
聞き間違えかと思った。
「お願い……わたしとして」
今度ははっきり聞こえた。
何を言っているんだ!?
突拍子もない事を言い出す杏梨に返す言葉が浮かばない。
杏梨を好きな雪哉だ。
男だし抱いて欲しいと言われれば抱ける。
だが出た言葉は保護者としての言葉だった。
「何を言い出すんだ?」
必死に雪哉を見つめていた杏梨は真剣な顔をしている。
杏梨に抱きつかれて雪哉は面食らった。
震える手で抱きつかれ、愛おしさがこみ上げる。
雪哉はためらった後、華奢な身体を抱きしめた。
「ゆきちゃん……なかなか来てくれないんだもん……」
やっと聞こえるくらいの小さな声で杏梨は呟いた。
「ごめん でもちゃんと来ただろう?」
雪哉の肩に顔を埋める杏梨は小さくかぶりを振る。
「違うの……夢……」
夢か……。
どう答えたら良いか迷っていると杏梨が顔を上げて雪哉を見た。
「でも本当に来てくれた」
涙の後が残る顔で笑う杏梨は無理に笑っているように見えた。
「杏梨……」
片方の手を杏梨の髪に滑らす。
「ゆきちゃん……もう……わたし……こんなの嫌なの……」
杏梨は今日の夢を見てはっきり分かった。
このままではあの出来事を忘れる事が出来ない。
だったらあの男がしようとしていた事を……ゆきちゃんに……忘れられる気がした。
「辛いのは分かるよ こういう事は時間がかかるんだ」
姉のゆずるに言われたとおり雪哉は焦りたくなかった。
杏梨は雪哉と反対の考えに囚われようとしていた。
「もう時間なんてたっぷりすぎたのにっ!全然治らないでしょう!」
「杏梨?」
「ゆきちゃん……お願い わたしと……して……」
杏梨の言葉は衝撃的で雪哉は唖然となった。
聞き間違えかと思った。
「お願い……わたしとして」
今度ははっきり聞こえた。
何を言っているんだ!?
突拍子もない事を言い出す杏梨に返す言葉が浮かばない。
杏梨を好きな雪哉だ。
男だし抱いて欲しいと言われれば抱ける。
だが出た言葉は保護者としての言葉だった。
「何を言い出すんだ?」
必死に雪哉を見つめていた杏梨は真剣な顔をしている。