お隣りは先生!?
「七瀬。もう一回練習するぞ。」

今日も放課後に、先生と練習。

なんだけど......

「ぜぇ......ぜぇ......先生、ちょっと休ませて下さい......」

さっきから、一回も休まずに練習って......

きついっ!

私は、その場に座り込んだ。

「そうだな。じゃあ、少し休憩するか!」

やっと休めるよ。

ここ数日、特訓をするようになってから、筋肉痛がひどいんだよね......

でもその分、先生と一緒にいる時間が増えたから嬉しいけど。

「ほい。お疲れ様。」

先生が、スポーツドリンクを買って来てくれた。

「ありがとうございます!」

やっぱり優しいな......

「お前、最初よりよくなってきてるぞ?」
先生は私の隣に座って言った。

「本当ですか?」

「最初は、本当にダメダメだったもんな。」

......そう。

特訓初日は、先生の足は踏むわ転びまくるわで、全く走れなかった。

今はタイムは遅いけど何とか走れる。

運動音痴の私にしたら、結構出来ている方!だと自分では思ってる。

「よし!練習再開するぞ!」えっ?もう!

「行くぞ。七瀬。」

「あっ......」

先生は私の手を握って立たせ、肩を抱き寄せた。

どうして?
さっきまでは平気だったのに!

じわっと手に汗をかく。

ドキン......ドキン......

鼓動が徐々に早くなる。

もう駄目!
ドキドキし過ぎて死にそう!

「じゃあ始めるぞ。よーい......ドン!」

先生の合図と同時に、私は今までにないくらいの全速力で走り出した。

「七瀬!?ちょ......」

先生が何か言っていたが、私は全く聞いていなかった。

早くゴールしなきゃ!
私のドキドキがバレてしまう前に!


......ゴール。

「はぁ......はぁ......」

「今のタイムは......おっ!凄いぞ。七瀬!今までで一番良い!」

先生は満面の笑みを浮かべて喜んでいる。

私は、全速力で走ったせいと、先生のせいで、鼓動の速さがMAXに達していた......

体育祭まで、ずっとこれが続くの!?
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