実話~運命~
「里美、ゴメンな。わたしら、里美に黙っとることがあるんよ。落ち着いて聞いてくれる?」


わたしが久々に志穂に呼び出されたとき言われた。

志穂は美容室に就職も決まって前よりも相当綺麗になっとった。

それに比べてわたしは痩せてしまってみっともなかった。



「黙っとること?もう何があってもわたし驚かんと思うで?」

笑いながら言うわたしに志穂は苦笑いしながら言った。


「あんな、里美が風俗しとるの見つけたの、ウィルやねん。」


「ウィル?へぇ…。元気しとるん??」


わたしは動揺したけどそれを隠した。

この頃のわたしは男がこわくてたまらんかった。

付き合って好きや思った男、全てから捨てられているわたし。

もう恋に臆病になっとった。



「元気しとる。今はうちら、和解しとんねん。普通に会ったりしとる。あいつ、今大学生なんよ。1年遅れて今大学1年らしい。」


「へぇ、そうなんや。結婚生活はうまくいっとるん??」


「いや、結婚最初からしてへんらしい。妊娠してたのはほんまらしいけど、子ども産んでへんって。」


「…中絶したんだ。」


「…してへんかったらしい、妊娠。」
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