実話~運命~
「そっかー…でも元気しとるんやったらよかったわ。でもなんでウィルはわたしを見つけたん??」


「そこ行って店で写真見てたら里美がおったらしい。里美はそんとき客についとったから指名できひんやったって言うとった。」


「そら恥ずかしいな…。」


「会ってみる?」


「いや、ええわ。元気って知れただけでもう充分や。」


「そうだよね。わかった。」




これでわたしらの会話は終わった。


ウィルに会いたいって気持ちがないわけではない。

久々に会ってまた話してみたい。

恋愛感情はなくっても。

でも、あの汚い時代を知ってるんなら恥ずかしくて会うとかできん。

あの、明るくよう笑ってた元気な時代のわたしのまま記憶しとってほしかった。
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