実話~運命~
3年ぶりに会ったウィルの中身は全く変わっとらんかった。

ハイテンションでよく喋り、よく笑う。

変わったのは服装が前より綺麗になったってとこくらい。

昔みたいに古着じゃなかった。


会いたくないって思っとったけど会ったんならしょうがない。

ということでうちらは久々に4人で遊びに行くことになった。

「俺、駐車場に車置いとるから。」

というウィルの提案でドライブに行った。


気付かなかったけどみんなわたし以外は免許を取得していた。

わたしだけがみんなより何歩も遅れとること、また気付かされた。

免許なんて考えもせんかった。



2月ということもあり、車の中は暖房がきいていた。

前はどんなに寒くても原付だったのに。

こんな思い出ばっかり思い出すのってもうわたしくらいだよね?とか思った。

みんなどんどん大人になってってた。



着いたところは冬に来るところじゃなだろう…と誰でも思うような海だった。


「海て…お前のセンス疑うわ。」

と猛も言ってた。



その海でウィルはわたしを思いっきり海の中で押し倒した。

自分もビショ濡れになりながら。



「もう頭冷やしたか?変な男にはもう引っかかるんやないで。次あったらもっと沖に寒いとき沈めたる!!」

と言った。


「あんたも変な男の中に入っとるわ…。」

そう言って押し倒されたままウィルの手をグイッと引きウィルを逆に沈めてやった。

「アハハ!!ざまみろ!!」


この日、わたしは久しぶりに心から笑った。

それは意外にもわたしをどん底に落としたうちの1人、ウィルによって。

ウィルはやっぱり太陽みたいな存在みたいやった。
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