実話~運命~
「里美、お前俺が前にやったペアリングってまだ持っとるん??」


その日、仕事が終わってウィルと飲みに来ていた。

ウィルがタバコを灰皿に押し付けながら言った。


「う~…ん、多分あると思うけど…。何で?」


「明後日昼でも夜でもええんやけど、あいとる?それ、持ってきて欲しいねん。」


「明後日仕事やし、夜っつっても9時くらいやったらあいとるで。なんでなん。ま、ええけど…。」


そういうことになった。


今さらまた思うのはウィルとおると半端ない目線が襲う。

ウィルは外人顔だし、かっこいいし、よく笑ってるしかなり目立つ。

実際モデルだけじゃなく芸能人のスカウトやってよくあってるらしい。

でも本人は「普通の会社員になるんや!」とか言ってまったく興味なし。


「絶対やで。」


妙に真剣な顔をしてた。

似合わないキャラになって。
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