実話~運命~
「よし、それじゃそろそろ学校行くか。ここおってもしょーもないし。」


洋介くんのこの声でみんなそうだな。と言って歩き始めた。

時間はもう10時過ぎ。


え??学校行くの??

って考えが頭の中にいっぱいに広がった。


わたし転校初日でこんな遅刻して化粧して行くの!?

みんなもそんな髪とかメイクとかしたまま学校行くの!?


前の学校にはこんな人いなかったし、わたしの知らない世界だった。

こんなこと、あるんだ。


後ろをトボトボ歩いて行っていたら


「里美、遅いって!!置いてくで??」


梢ちゃんが前からこっちを見て言った。

その言葉でわたしは小走りで走りよった。



この格好で行ってまた浮いたりしたらどうすればいいんだろう。

友達、出来ないよねやっぱり。


そう思っていたら


「里美はもう8人も…いや俺はいとこだから7人やな。友達できてよかったな。」


洋介くんがニコッとしながら言った。


友達…。


友達なんて小さい頃の知恵ちゃん以来。

その響きに嬉しさが隠し切れず少し微笑んだ。


「友達と思っていいのかな?」


洋介くんに聞くと横からわたしの肩を組んできた千尋ちゃんが


「当たり前やろ。何言うとんねん。もう里美も大事なツレや。」


と笑った。
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