実話~運命~
着いたのは地下にある個室の居酒屋だった。

山崎さんは


「2人で行くつもりやったのに。」

ってブーブー文句言うとった。


機嫌がちょっと戻ってきた山崎さんがそこでまた焼酎のボトルを頼んだ。

話は山崎さんと志水さんの営業の話で、どんなことしてるとか色々聞いていたけど最初から相当酔ってた山崎さんは、わたしがちょっとトイレに行った時に寝てしまっていた。


「山崎さん、寝てしまったんですか??」


「酔ってたしな。ったくこのオッサンは…。まだ飲む?」


オッサンて…。2個違いなのに。

ツッコミは抑えておいた。


「いえ、もう山崎さん帰さなヤバイでしょ??」


「この人は…インターネットカフェに放り込むわ。ちょ、手伝ってな?」


そう言って志水さんが伝票を持って立ち上がり、山崎さんを起こしながら持ち上げた。


フラフラしながら歩く山崎さんを2人で運び、街中にあるネカフェに本当に放り込んだ。


「さて、俺らは帰るか。家どこ?送るで。ま、タクシーが。やけどな。」


「家は○×町です。」


「○×ね、ほな乗ろうか。」


「志水さんはどこなんですか??」


「そんなん初対面の人にはこわくて言えんわー!!」


そう言って止まってたタクシーに乗り込んだ。


「ちょ…それ普通逆でしょー!!」


そう言うわたしをタクシーの中から引っ張って乗せた。



「○×町までお願いします。」


タクシーの人にそう言った後、


「近くなったら説明するんやで?寝たらあかんからな!!」


「寝ません!!」


そう言いながら家に向かった。


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