実話~運命~
わたしはその瞬間急いで服を見た。

乱れナシ、何もなかったんよね??

そう思っていると目の前に水の入ったコップが伸びてきて

「何も手出しとらんで?」

と笑顔で言われた。

疑ってしまって申し訳ない気分にすぐなってちょっと謝った。


志水さんの話によるとあれから酔いつぶれたわたしを山崎さんが連れて帰ろうとしたらしいけど、どう考えても危なかったから無理矢理引き取ったということだった。

思いっきり平謝りだった…。

情けなかった…。


「それより早く帰らんと・・遅刻するで?もう9時半やし。」


「ギャッ!!まじだ!!」


「ほら送ってくからはよ立ち!!」


そう言って志水さんはキーケースとタバコと財布を手に取った。


「いや!!悪いです、そこまでしてもらうとかありえへん。」


「女の子は遠慮すんな言うてるやろ?はよ行くで!!」


そう言うとわたしの手を無理矢理引いて外に出た。

外は晴れ間が広がっていた。


申し訳なさでいっぱいだったわたしにはあまりに眩しかった。
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