実話~運命~
「ウィル、何やってるん?」

わたしは首をかしげてすごい形相でウィルを睨んだ。


「豪、知り合いなん??」


横の女は上目遣いでウィルを見つめてた。

手はウィルの腕を掴み、その位置は女の胸元。

明らかに胸をウィルの手にあててた。


ウィルといえば困った顔しながら言った。


「里美、誤解せんとって。この子、ただの後輩やねん。」


そう言って”もう離して。”とか言って女の子を腕から離させた。


「豪…彼女おったん??おらん言うてたやん。いつ出来たん??」

その子はすごく悲しそうな目でウィルをまた見つめてた。

目には徐々に涙がうっすらたまってきてる。

それをウィルは怒鳴ってた。

「お前もうどっか行けや。」

とか言って。


明らかにクロやろ。

なんでこの男はこんな何度も繰り返すん??

もう病気やろ??

どうしようもないんやろ??

信じたわたしがアホだったわ。

やっぱり友達で止まってればよかったのに。


後ろで気まずそうにしてる中山さんを見てわたしは言った。


「わたしもうウィル信用できひん。」


なんでウィルに背向けたかって…。

わたしだって涙こらえきらんかったら嫌やから。

泣き顔なんて見られたくもなかったから。
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