実話~運命~
「あの子、うちのサークルの後輩やねん。でな、彼女おらんって言ったのやってもうずっと前やったんよ。俺が出来たって言わんやったのがいかんかった。で、あの日はサークルの飲み会の途中で他のサークルに顔出しに行く途中やったんよ。で、あんな腕組んだりしとったんは酔っとったから。俺の落ち度ばっかりや。でも心はずっと里美やねん。里美と連絡取れんくても会えんくても里美のことばっか考えとってん。ほんまに好きやねん。卒業したら絶対結婚しようて決めとんねん。ほんま謝るから・・やり直してほしい。里美やって俺のこと好きやから怒ったんやろ?もう絶対せんって約束できる。次したら死んで侘びたってええから。」


黙ってるわたしにウィルはペラペラと続けた。

本気やってことはちゃんと伝わっとる。

ほんまにわたしのこと思ってくれとって謝ってくれとるってこと。


でも…


「ウィル、友達に戻ろう?わたし裏切られることに疲れたんよ。もう深入りしたくないんよ、人と。ほんま友達が楽でええわ。」


「いやや、友達じゃ物足りんわ。里美を独占しときたいねん。俺のものやって100%思っておきたいねん。」


「思うだけなら勝手やろ。思っててええよ。でも、戻るなんてもうゴメンや。これからはないってウィルは言うたけどもし…また裏切られたらわたしはもう立ち直れへんかもしれん。わたしがずっと人に裏切られとるの知っててまたやったんやで?ウィルは。もうきついねん。ほんま疲れたんよ。お願いやからわたしのことはもう放っておいてほしい。ゴメン、ウィルの気持ちはほんま嬉しい。でも今のわたしには重いねん。」


正直に心の中の気持ちを吐き出した。


「次、裏切ることは絶対ないって約束してもダメなん?」


「…ほんまごめん。」


そのときウィルは車を止めた。
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