実話~運命~
メールを開くと文字が並んでた。


【お疲れ。今忙しかった?もし時間あいたら連絡して。】


それを見るとわたしは素早く携帯を閉じた。

ウィルに見られたくなかったからじゃない。

ただ、なんとなくカラダが勝手にそうした。


「職場の人だよ。」


「ふーん。」


そう言うとウィルはまた車を走らせた。

家に着くまで5分ほどの距離。

わたしたちは無言やった。


家に着いて降りるときに


「ありがと。じゃ、ウィルまた。」


「明日も迎え来るから。明日は何時あがりなん?」


「ええよ、迎えとか。もう彼氏やないやん。」


「考えなおしてほしい言うてるやろ?考えといてほしい。すぐ答え出さんくてもええやん。」


「……。」


「な?ならまた明日な。おやすみ。」


そう言うウィルにわたしも小さく


「おやすみ。」


そう言って車を出た。


拒むって決めとったのに。

なんでちゃんと断れんやったんやろう。

迷いがわたしの中にはあった。

まだ、ウィルのこと忘れきっとらんやったからかなぁ。
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