実話~運命~
学校に着くと普通に授業中らしく、体操服を着た人たちがグラウンドにいるのが見えた。


わたしは洋介くんと一緒に職員室へ向かった。

かなりドキドキしていた。

初めての学校なのに化粧なんてしちゃっているので怒られるんじゃないかって。


「洋介くん、わたし化粧落とした方がいい??」


「なんでなん?」


「だって校則とかあるんじゃないの??」


「ハハッ、そんなん守る奴ほとんどおらんやろ。気にせんと普通にしとればええわ。」


わたしの不安を洋介くんは笑いで一蹴した。

それでも不安は取れなかった。

前の学校は校則は絶対だったから…。


でも職員室で挨拶をした担任の先生はわたしの格好に何も言うことはなかった。

こんなに丈の短いセーラーとスカートを着て、化粧してるのに…。

荒れた学校?

こんな学校もあるんだと思った。



そして洋介くんとはそこで別れ、洋介くんは知らない先生に連れて行かれてた。


「里美、頑張れよ。」


そう言い残して。
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