実話~運命~
「里美ちゃん…鬼やな…。」


落ち着いた志水さんが笑いながら言った。


返事、どなんすればええんやろ。

志水さんのことやっていっぱい知ってるってわけやない。

彼女いない歴1年くらいってことは恋愛関係やったら知っとるけど・・。

それに志水さんはまだ知らん。


わたしが風俗におったこと。

ヤクザに騙されとったバカな女やってことも。


言うたら軽蔑されるって思って言えへんやったから。

言うべきなんやろうか。


志水さんの言葉に返答することが出来ず愛想笑いだけして考え込んでいた。



「返事、いつでもええから。正直に言うてな。嫌なら嫌やって言うたってええから。」


そう言う志水さんは最高の笑顔だった。

本気でかっこええ人や。

性格だってほんまにええし、悪いとこが思い浮かばんくらい。

断る奴はおらんやろ。


わたしやって…付き合ってみたい。

でもバレたとき、どうなるんやろか。

もしウィルくらい好きになっとって軽蔑されて捨てられたらわたし、きっと耐えれんわ。
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