実話~運命~
「だから…来てもらったのに悪いけどもう…」


「車には乗れんわな。わかっとるで。」


そう言うとウィルは車から降りてきた。



「これからはほんまに友達って思うよう頑張るわ、俺。そして里美より好きになれる子、探すから。」


今度はいい笑顔やった。

わたしも笑顔になって


「わたしよりいい女あんまおらんと思うけどな~。」

って思ってもない冗談を言った。


「ほんまやな。俺の中では里美がナンバー1や。でもこれからはもう振り返らんと前に進むわ。ごめんな、今までストーカーみたいにしとって…。そして里美もいっぱい傷つけとったし。」

冗談で言ったのに…返す言葉が見当たらなかった。

しかもストーカーなんて全然思ってへんかったのに。

傷だってもうとっくに癒えとるのに。


「ウィル、わたしウィルとはええ思い出しか記憶しとらんから。ウィルもそうしてな??ええ友達にうちらなれるやろ。」


そう言ってわたしは手を出した。

それをウィルが見てウィルも握る。

これで友達に戻れると思った。


それからウィルを見送った後わたしは家に帰った。




でもこの後…あんなことがあるなんて思ってもみなかった。
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