実話~運命~
家へはバスで帰るしかない。

バスに乗り、近いバス停で降り徒歩10分程。

暗いけど街灯もあるし大丈夫、通い慣れた道。


そこでずっと考え事をしながら歩いていた。

お金貯めてやっぱり自動車学校行かなあかんな。

車だって欲しいしなぁって。

もちろん志水さんのことやって考えてた。

今日は職場の飲み会って言ってたな。

飲んどるんかな、とか。




そして家に着くとお風呂に入った。


あがってケイタイを見たらちょうど今きてた志穂からの電話。


あぁ、まだ志穂に志水さんとのこと言うてへんかったな…。

ええときにかかっとった。

そう思ってかけなおした。

コール1くらいで志穂は出た。


「もしもし里美!?今ええ!?」


声はものすごく焦ってるのがわかる。


「どうしたん?何かあった??」


わたしも驚いて聞き返す。


「猛が…猛が…」


わたしは家を飛び出した。

無免のくせに…ええ歳しとるのに原付に乗って。

向かったところは市民病院。


集中治療室を聞いてそこに走って行った。

近くに志穂の姿。

そしてさっき別れたウィルの姿。

他にもおったけど動転しとったのはわたしも同じ。

目に入ってへんかった。

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