実話~運命~
どれくらい待ったんやろ。

ふと携帯を見たら着信があった。

志水さんからやった。


「志穂、ちょっと電話してくるから。」


そう言って手を離し、外に出て志水さんに電話をかけた。

よく考えればこの市民病院は志水さんの家の近くやった。


「もしもし~?」


電話に出たのは上機嫌の志水さんやった。

ほろ酔いらしい。


「すみません…病院いたんで。どうしました??」


そう言うと何で病院なのかと聞かれ、説明した。

迎え来てやりたいけど飲んでしまっとることをえらい悔やんどった。

全然いいのに…。

無免で来たことは一応隠しておいた。


そしてまた連絡するって言って電話を切ってまた志穂のところへ戻った。


志穂はだいぶ落ち着いたみたいでいつものキリッとした顔に戻りつつあった。

あんな冷静な志穂があそこまで取り乱したのを見たのは初めてやった。

そりゃそうやな…。

って思っていた。
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