実話~運命~
「翔太、ごめんな。」


家でソファーに横に並んで座り、翔太に謝った。


「…なんで里美が謝るん…。悪くないやろ。」


「だって…他の男と──」


「違う。」


翔太は大きい声を出した。

夜中だからわたしはビックリしたと同時に


「シーシー!!」

って口元に人差し指をたてて言った。

そんなわたしを見て翔太は小さく何度も頷いた。


「あんな、里美は謝るようなことしてへんやろ。勘違いしたらあかん。謝られても困るだけやからな。わかったか??」


目をジッと見られながら言われた。

キレイな目。

汚れてない目や。

それに比べてわたしは何やねん…。


「こんな家庭環境、あんな境遇で育ってきた女やで?嫌になったりせんの??」


汚れた目で翔太のキレイな目を見つめて言った。


「バカやな…。」


そう言うとわたしを肩を引いて抱き寄せてくれた。


「嫌いになんてなるか、アホ。」


わたしの肩にアゴを乗せて言った。


嬉しくて…また涙が溢れちゃった。

いつからこんな泣き虫にもなったんやろうか。


弱くなりっぱなしや。

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