実話~運命~
叔母は信じられない顔、そして母親はわたしに近寄り声をかけた。


「あんた、大丈夫なん?何で言うてくれんかったんや…。」


って。


あんたとも関係のある男やし、居候のわたしが言える立場やないやろ。


言いたかったけど


「一応立場考えたんや。叔母さんの男やし、うちらは居候やし。でも傷が癒えてきたら腹たった。」


そんなわたしを見てた叔母。

そしてボロボロの男のそばへ行き平手打ち。


「出て行き!!」


うちらはニヤニヤしとった。

予定通りや。

ドラマのようにシナリオ通りに進んだ。


男が立ち上がり出て行こうかとするとき


「オッサン、慰謝料取りくるからな。用意しとき。金額は任せるけどわかっとるよな?小額やったら殺すで?」


ニラみながら洋介くんは言うた。

そうだよね。

実の母親が愛した人がこんなだらしないことしとったなんて。

怒るのもしょうがないことなんや。


オッサンは何も言わず、そそくさと出て行った。


そして叔母はわたしを抱きしめた。


「里美、ごめんな。辛い思いさして。」


って。



叔母のせいやないのに。


「気にせんとって。」


って言うしかなかった。


この日、朝方まで何年ぶりだろう。

5人でずっと色んな話を語った。


店の話、洋介くんの彼女の話、裕太の彼女の話、翔太の話、あの男の話、いろんなことを。

あんなに怒ってたみんなの顔があの男がおらんくなった途端笑顔になった。


でも…これでは終わらなかった。

あの男の復讐が近々始まる。
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