実話~運命~
放課後わたしたちが向かったのは大きなドラッグストアだった。


「里美、里美はあの自販機のとこで待ってな♪」


梢ちゃんが自販機を指差しながら言った。

その自販機はこの店から30メートルほど離れた場所にあった。


なんでこんな遠くに待たされるんだろう??と不思議に思ったけどわかった。と言って自販機のほうへ歩いて向かった。


それからずっと待った。

10分…20分…30分…。

2人は何してるんだろう??

わたし置いていかれたのかな??

いつも2人でいただろうし、わたしのこと忘れてるんじゃないかな?

あと10分したら帰ろう。

そう思ったけどずっと待ち続けた。



1時間程待つと店の方から2人が来るのが見えた。


「ゴメンゴメン、待たせてしもたな。さ、行こか♪」


そう言って2人はまた歩き始めた。

不思議だったけどわたしも横をポツポツと歩いていた。


公園に着くと2人はカバンを広げた。

そこにはたくさんの化粧品。


その中から20個ほど取り出しとわたしのカバンに入れた。


「はい、これ里美の♪あんた化粧品持ってないんやろ??プレゼントや。」


そう言うとこれがファンデで顔全体に、その前にこの下地、とか説明を始めた。

色々聞きたかったことがあるけどその話を一生懸命聞いて覚えた。



一通り説明をしてもらった後、薄々感じ取っていたことを聞いた。


「これって…万引きしてきたの??」


「違う違う♪わたし金持ちやから買ったんよ。里美は心配せんでええ。使いな。」


1度聞いたとき否定されたからわたしはもう聞かなかった。

その言葉を信じてなかったけど。
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