実話~運命~
それからほんま闇やった。

供養が終わった。


翔太と赤ちゃんの名前、【希望(のぞみ)】にした。

また来てね、って希望をかけて。


式、キャンセル出来ひん。

やらなあかん。


なのに身体が動かん。



そんなわたしを叱咤したのは母親やった。


頬を2発殴られた。



「あんたがそんなグダグダ落ち込んでどうするん!!あんたに気つかっとる翔太くんのこと考えなあかんやろが!!赤ちゃんやって望んでへん!!前進むのいつやねん!!迷惑ばっかかけなさんな!!」


叔母は


「あんたこんなときに殴らんでも…」


って言うとった。


確かにその通りや。


翔太やって最近ほんま元気ない。

黙ってるわたしに母親は続けた。


「母親がこんな弱かったら産まれてきとっても幸せになれへんかったかもしれんな。もう少し強くなり!!」


そう言って背中を叩いた。


産まれてきても…幸せになれへんかった…!?


「何言うとるん!!産まれてきとったら絶対幸せにしとったわ!!」


わたしは母親に怒鳴った。


「じゃあ笑い!!あんたのそんなツラ見てるとな、亡くなった赤ちゃんが可哀想やわ!!わたしの孫や!!笑って見送らなどうするん!!このアホが!!」


母親も怒鳴る。


叔母はこの親子ゲンカを黙って見とった。


そしてわたしは言い返せへんかった。
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