実話~運命~
初めてのキスはタバコの香りがしたことを今でも覚えとる。


それから豊くんにポケベルを持たされた。

まだこの時代はポケベルの時代。


メッセージを打つときは公衆電話までいつも行っとった。

家のでかけるとお金があがるから怒られるし、公衆電話も近かったから。


毎日会って毎日ベルを打っとった。



そして付き合って2週間くらい経って初めてエッチをした。

14歳の夏の終わり頃だった。

処女を捨てた。



痛かったけどすごく優しくしてくれた。


「俺、女と付き合うのめんどくさいって思ってたんやけどお前はなんか危なっかしいから守ってやりたいんよな。なんでやろ。」


この言葉を聞いて豊くんがすごく好きになった。


毎日一緒にヤンチャした。

ケンカしに行く豊くんらに付いて行ったり、ゲーセンでたまったり、コンビニでたまったり。

警察におっかけられることも多々あった。

でもこわいって思うことはなかった。

毎日笑って過ごしとった。




でも時は過ぎ豊くんが中学3年の冬、警察に捕まり鑑別送りになってしまった。

前科もあったし家庭裁判所から送られた。



淋しかった。

豊くんに会いたかった。



でもそんな想いは数週間経つと忘れることになった。

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