実話~運命~
放課後になって安奈と夏美が寄ってきた。


「里美、今日どっか行こう!!」


「ごめん、先約アリなんよ。またな。」


そう言った後


「木下志穂、行くで。」


前の席にいる木下志穂の背中にバッグをあてて声を掛けた。


「なんや久保崎里美やってわたしのことフルネームやん。」


そう言ってバッグを肩にかけた。


「なに、あんたら2人でどっか行くん??」


安奈が驚いて言ってきた。

低く、不機嫌そうな声。


「そやで。木下志穂にお付き合いしてくるわ。また明日なー。」


そう言って木下志穂と教室を出た。


後ろで話している安奈と夏美の

「なんやねん、あれ。」

という声を聞きながら。

ほっとけや、って感じや。


「なぁ、久保崎里美はほんまはあんなんと付き合うタイプやないやろ。」


ボソッと木下志穂が言った。


「安奈と夏美のこと?」


「そ。」


「ま、話は合わへんな。」


笑いながら言うと木下志穂も笑って言った。


「やろーな。久保崎里美は話してるの聞いたりしてるとサッパリ系やもん。」


「たぶんあの2人より木下志穂とのほうが気合いそうやわ。」


「それ、わたしもずっと思っとったんやで。久保崎里美とは気合いそうやって。」

ここから話が合う2人ってなったと思う。

こう考えるとダシになった安奈と夏美にはちょっとは感謝しなくてはいけないかなと思う。
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