実話~運命~
オリエンテーションは遠く離れた山であって、2泊のキャンプ。

学校の説明と親睦を深めることが目的らしい。


体育のジャージで木下志穂と山登りくらいの道をキャンプ場に向けて登った。

テントを張ってそれから木下志穂とわたしは夜ご飯のカレーの材料を取りに行った。


ところどころで男女が密着して話したりしている。


「久保崎里美は今日男と会ったりしないん??」


「せんよ。約束とかしとらんし。なんや、木下志穂は会うん?」


「金ないやつとはせーへんわ。」



その時だった。


「木下さん、久保崎さん、ちょっとええ?」


違うクラスの男が話しかけてきた。

こいつは確かハーフだったはず。


有名だったよな、名前は確か…


「あんたウィルソンやろ。」


木下志穂がその男に言った。


「なんや、俺のこと知っとったんか。てか今日の夜、2人暇やない??」


ウィルソンは彫りの深い顔立ちで身長は180くらいある。

髪の毛はえりあしが長くモテそうなタイプ。

実際有名だしモテてるけど。


「何するん?それによるわ。」


わたしが言うと


「花火持ってきとるんよ。中林と俺と2人の4人で花火とかやっちゃおうとか思わん?」


わたしたちは冷めたタイプだから花火で喜ぶようなタマじゃない。


「木下志穂、やりたい?」

わたしが聞くと木下志穂は冷めた表情でこっちを見て言った。
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