実話~運命~
わたしたちはあてもなく山道を歩きながら話した。


「久保崎さんと話したかったんよ。俺、久保崎さんに一回会ってんねんで?」


「は?嘘やろ。あんたなんて会ったことも見たこともない。」


「会ってるんやて。中3の頃やけどな。」


「会ってへんって。」


「久保崎さん、山田豊くんと付き合っとったやろ?山田くんの友達の後輩が俺で1回久保崎さんも一緒に来たんよ。そんとき目が冷たい女やなーって思っとった。」


「うっさいな~。余計なお世話や、ボケ。」


「学校で見かけた時ビビったわ。あれ久保崎さんやん!!みたいな。」


ニカッと笑って見せた。

その顔を見てわたしはタバコを取り出し火をつけた。


「だから何なんよ。」


「今、山田くんと別れとるんやろ?彼氏はおるん??」


「おらん。」


「そっかー、おらんかー。」


そう言うとウィルソン豪もタバコに火をつけた。



タバコを吸うかと思っていたのにいきなりだった。

ウィルソン豪が高い身長の上にある顔をしたに降ろしてわたしの唇にウィルソン豪の唇をつけた。


「もらっとくわ♪いっとくけど俺のオヤジの国やったら挨拶やで?」


その瞬間ドスッとウィルソン豪の腰に蹴りを入れた。


「ここは日本やろ。そんなタバコくさいキスはいらんわ。」


「じゃ今度はレモン食べた後にしよな♪」


その言葉にまた蹴りを入れた。


「国に帰りやがれ!!」


そう言って。
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