実話~運命~
ステージ2 小学時代
小学校になると留守番をせずに済んだ。

学校に行くことになったから。

初めてお父さんにもらったランドセル。

でも、少しボロボロやった。


同級生に

「汚いランドセル、貧乏人。」

と言われるとお父さんとお母さんがバカにされた気がして歯向かうことだってあった。


そのたびに先生がお母さんに電話してお母さんは


「あんたなんかいらない。」

と冷たい顔で言った。


お父さんとお母さんをバカにされたくないからやったことだったけどわたしは嫌われてしまった。

いけないことをしたんだ。


そう思って同級生に何を言われても、何をされても何も言い返す、やり返すことをしなかった。

ずっと黙っていたから友達も出来なかった。

ずっと1人だった。

変人扱いされとった。

飼育小屋の小動物と話をしてた。

返事は返って来ないのに。

それでさらに変人扱いされた。


学校が全く楽しくなく、毎日辛かった。


家に帰ると拭き掃除やお茶碗洗いを毎日お父さんに日課にされてた。

そしてたまにお父さんが強くわたしを叩くことも始まった。

それは痛くて痛くて…。

でも嫌われたくないから黙っていた。

たまにお母さんがコッソリ冷やしてくれとった。


そして2こ下の裕太も小学生になった。

裕太は真っ黒のピカピカのランドセルを買ってもらってた。

入学式用のかっこいい洋服も買ってもらった。


でもわたし、入学式のとき何も買ってもらったりしなかった。

ランドセルだって誰かが使い古したものだったし。


この頃くらいからわたしは裕太との差に確信を得た。


どうして裕太だけが可愛がられて、わたしはお掃除させられたり、すぐ怒られたりぶたれたりするんだろう。


声を殺して夜泣いた。


隣の部屋のお父さんとお母さんと裕太に聞こえないように。
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