実話~運命~
オリエンテーションから戻るとずっと授業が待っていた。

前の席が木下志穂だから休み時間も普通に喋れて楽だった。


冷めたクラスで、席替えなんてめんどくさいからしなくていいって感じだった。

だからずっと木下志穂の後ろ。



木下志穂は何度も売りをやっとった。

先輩とかからやって5千円とかでやっていた。



わたしはというとバイトを始めた。

デートするだけでお金もらえるってやつ。


男ってバカだと思った。

ご飯食べさせてそれで金くれるんだもん。


密室になるところには絶対行かない。

車、カラオケ、絶対NG。



こんなんで楽に稼いでたからバイトする気なんて失せた。



裕太もこの頃くらいから洋介くんとわたしの影響でか荒れ始めた。


でも母親も叔母も全くといっていいほど何も言わなかった。

2人は経営を始めたスナックを2人で切り盛りしていて、そこが結構賑わうからわたしたちには忙しくて干渉する暇なかったらしい。

でも知らなかった。

私立の高校にわたしをやるために母親が苦労してたって。

それを知ったのはずっとずっと先の話だった…。

ずっと放任やな~、適当やな~、うちの親って思っとった。


よく梢ちゃんや千尋ちゃんとも遊んだ。

この2人はやっぱ気が楽だし話が合う。

ずっと妹のように可愛がってくれていた。



そして夏休み、PHSから携帯に変えた。


そのころはメールはショートメールというやつで入らない場合は何度かにわけて半角のカタカナで送った。

デートにつかうのはプリペイドのケータイだったけど。
< 43 / 236 >

この作品をシェア

pagetop