実話~運命~
それからウィルは毎日のように言っていた「里美、好きやで♪」って言葉を言わなくなった。

わたしの前で一度も見たことないことをしていた。

他の女の子と顔をくっつけて話したり、抱きついたり。



わたしがいたから我慢してたのかな??

それともわたしに見せ付けてるのかな??

こんな考えが出てくる自分はひねくれてるなって思った。


志穂は

「あいつ、とうとう諦めたんやなー…。もうちょいやってわたしは思てたんやけど。ほんまバカやわ。」


と言っていた。

もうちょいでもなんでもないのに。


猛は

「あいつ、ほんまにお前のこと好きだったんやで?ほんま付き合ってやれへんやったんか?」


とまた聞いてきた。

実際、ウィルがわたしらから離れていく気がしていて少しずつ淋しくなっていたわたしは


「わからへん。でもアイツ、今のほうが楽しそうやん。これでよかったんよ。」


と言った。



そしてあのジャンケンから数日経った日だった。


「あんた、豪くんと付き合ってるってほんまなん?」


いきなり夏美がすごんできた。

すごいキレた顔しとる。


「はぁ?なんやねん、いきなり。」


否定もする気が起きなかった。

あまりに夏美の顔つきが険しくて日々イライラしていたわたしはそこにはけ口を向けた。
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