実話~運命~
その理由を知ったのは小学校5年生の時だった。

お父さんの母親、つまり祖母から聞かされた。


「あんただけ本当の家族じゃない。知らんかったろ?裕太はお父さんの本当の子どもだから可愛いけどあんたは誰の子かわからないからわたしらからしてもかわいくもなんともない。邪魔になる子だ、本当に。」


わたしの感情なんてまるっきり無視して言われた。

わたしがそのときどう思うかなんて、祖母は考えもしなかっただろう。

ただ、自分の感情をぶつけたかったんだろう。

まだ小学校5年のわたしには辛すぎる言葉だった。



その日、食べ物がノドを通らないほどのショックを受けた。


何がショックだったかって聞かれたらどれがショックだったのかわからない。


1人だけ違うということ、邪魔と言われたときにわかった、わたしは嫌われているということ、かわいくないと言われたこと。


でも、そんなわたしを心配する人は誰もいなかった。


もちろん友達もいない。

先生だってわかってくれなかった。

おとなしい子だといつも通知表に書くだけ。



おもちゃも買ってもらえないわたしは常に1人ぼっちだった。
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