実話~運命~
志穂と猛に話すと2人は賭けをしてたらしく、猛が志穂に昼を奢った。

こいつら…。

と思ったけど見上げるとウィルがいることが嬉しくて怒りはこみ上げたりしなかった。


ウィルは休み時間はほとんど遊びに来てくれた。


「里美狙っとる先輩がおるらしいんよ。俺負けたらどうしよ…。」


「何頼りことないこと言うてんねん!!このアホ!!!」


休み時間に繰り広げられるわたしとウィルのアホ会話に志穂と猛は笑ってばっかりいた。

そんな2人もちょっとずついい感じ♪



でも毎日来るウィル、そして話すわたしにイラつきを隠せないのは夏美と安奈。


「あー死ねばええのに。ほんまウザったいわ。」

毎日聞こえるように言われていた。

それをひたすらシカトし続けた。

だってわたしの勝ちやもん。

これ以上めんどいわ。



母親や裕太、叔母や洋介くん、梢ちゃんや千尋ちゃんにもウィルを紹介した。

洋介くんは前に見たことがあったけど、他の人たちは


「なんやねん!!外人やんか!!」


と口をそろえて言った。


洋介くんや裕太ともウィルは仲良くなってよく家に来るようになった。


いつもはみんなとワイワイやっていたクリスマス、今年はウィルと2人で過ごした。

終業式だったから終わってカラオケに2人で行き、そこでプレゼントを交換した。

まだ開けずにパスタを食べに行き、そのままラブホへ行き宿泊した。



そこで開けたプレゼントはペアリングだった。

実は初めてもらった男性からの贈り物。


「安物だけどいつかはいいの買ってやるから。」


そう言いながら左手の薬指にウィルははめてくれた。

サイズはぴったりだった。


わたしがあげたものは…ウィルがつけていたウィッシュという香水。

デートのバイトもやめて収入がないからあまり高いものが買えなかった。
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