実話~運命~
家に帰ると洋介くんが帰ってくるのを待った。

さっきの男達の怖がりようもおかしかったし。最近の洋介くんは何か変だって感じとってたから…。



夜の3時くらいに洋介くんは帰ってきた。

母親たちが帰ったちょっと後。


洋介くんの部屋にいたわたしに洋介くんは驚いた表情を見せた。


「お前、何やってんねん、人の部屋で。」


「洋介くん、何してたん??」


「は?何してたんって、学校行ってちょっと話しよってん。何やねん、いきなり。」


「なぁ、なんで今だにみんな洋介くんのこと怖がるん??まだなんかしよるん??」


「何言うとんねん、いきなり。お前が心配しとるようなことはしてへんよ。どうかしたんか??」


洋介くんはわたしの頭をポンポンと叩いて言った。

別にあいつらのことを言う気はなかったけどこんなことを言われたってことを言いたくて全部話した。

ただ、一応女だし、安奈と夏美のことは黙っておいた。

洋介くんは怒ると男も女も見境がないから。

洋介くんは最初は相槌を打ってくれてたけど後からは黙って聞いて、一通り話し終えたあとに口を開いた。


「そいつら、誰やねん。お前、名前知ってるん??」


「いや、知らんねん。ただ直哉って名前と孝志って名前は出てきたで。金髪のロンゲと鼻ピがおったわ。」


「わかった。俺にまかしとき。」


「違うねんて。わたしは復讐とか興味ないねん。未遂で終わったしもうかまへん。ただ、洋介くんが危ないことしとらんか気になっとってん。」


「里美が心配するようなことない言うたやろ?俺は大丈夫や。」


笑顔で言う洋介くんを信用するしかなかった。



数日後、洋介くんが家に帰ってきて無理矢理連れていかれた倉庫にあったものはボコボコになって丸坊主になった姿のあの男4人だった。

虫の息だった。

そして帰るというわたしに10分待てと言ってその20分後くらいに現れたのは安奈と夏美だった。
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