実話~運命~
わたしは2人の目の前へ行き、思いっきり殴った。

こわそうな男が持っていたバットでも殴った。

2人の口から血が出て、立てなくなるほど殴った。


「もう…ええやろ…。」

ハァハァと息をたてながら洋介くんに言った。


「もう帰したげて。なぁ、あんたらこれに懲りてもうせんやろ?」


2人はコクンコクンとうなずいた。

顔はわかるよう強く殴ったが体は力弱めて殴ってるからダメージは少ないはず。

意識は普通にあった。


「わかってる思うけど警察とか親とか言うと…」


「言わんわ!!もう助けて。これで済むなら絶対誰も言わへん。」


夏美が慌てて言った。


わたしは洋介くんに”もう、ええやろ?”というと洋介くんは捕まえていた男に首で合図した。

男らは2人を蹴り飛ばした。


「夏美ちゃん、安奈ちゃん、次また里美に何かしたら…死ぬから♪覚えとき。」


最後の覚えとき。というところだけ洋介くんはドスを効かせた。

2人は急いで出て行った。


「里美~、手加減して殴りすぎや。あれでよかったんか??」


「いいんよ。あれで。あれで懲りたはずや。わたし…帰るな。」


「あぁ。送るわ。あと、この4人は俺らに任しとき。」


そう言ってまた原付に乗って洋介くんに家に送ってもらった。


洋介くんは心配いらん言ったけど…心配しかしてなかった。

兄のように接してくれて、わたしのことになると我を忘れて怒り、あそこまでしてくれる洋介くん。

優しいといえばそうかもしれない。

ただ、やりすぎだ。


そしてあの周りの人たちだって普通やない。


どんな人と付き合ってるんやろう…。

眠れない夜やった。
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