実話~運命~
放課後、慶太と北村エリカが待ち合わせしてるって言ったのはちょっと離れた公園だった。

行ったことはなかったけど場所はウィルが知ってたから一緒に行った。


待ち合わせが6時半だったからあたりは真っ暗だった。

わたしには違和感があった。

慶太が…あの自己中男が女に合わせてこんな遠いところで待ち合わせをするとは思えなくて。

そして公園で待ち合わせなんてする奴じゃなくて…。

あいつならきっと大好きなカラオケを指定しそうやから。

そして大きな違和感、それは慶太のタイプは北村エリカと全く違う。

あいつ、1年…いやあんまり会わなくなって半年くらいか?

どんだけ変わったんやろ?って思っとった。


「慶太のやつ、なんでこんなとこで待ち合わせしたんやろ。」


先に着いたわたしたちは話していた。


「慶太ってまず誰やねん。なんで知らん男に会いに俺まで来てるんやろ…。」


「じゃ帰る?別にええで?」


「なんでそう素直じゃないねん。おってほしいくせに♪」


「なんでそうなんねん。」



こんな話をしてたときだった。

向こうから姿を現したのは北村エリカと安奈と夏美だった。

なんでこうなるのかさっぱりわからなかった。


ただ、安奈と夏美の顔にはまだガーゼか湿布かわからないが貼ってあった。



「里美、久しぶりやな。」

安奈が言う。

ウィルはさっぱりわからない顔をしていた。

これで全てウィルにバレてしまう…。

そう覚悟していた。



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