実話~運命~
「うるさいわ。お前ら洋介さんのこと何も知らんくせに…」


「知っとるわ!!わたしと安奈は洋介って奴から殺されかけたんよ!!里美が一応かばってくれたお陰でこんくらいのケガですんどるけど。ま、かばったって言うたってボコボコにされたけどな。」


それを聞いてウィルはわたしを見た。

何の話やねん?ってウィルのキレイな目でわたしを見つめていた。



「4人のことは…帰って聞いとくわ。明日北村エリカに話すからそれでええやろ?もう帰るわ。」


そう言うとわたしは3人とウィルに背を向けて1人で歩いた。

当然ウィルがわたしの手を引き、原付のほうに歩いて行った。


何も聞かないウィルが怖かった。

家に着くとすぐにウィルに聞かれた。

「さっきのは何の話やねん?お前俺に話してへんやろ??」


って。

それで最初から全てを喋った。

あの2人が企んでたこと、そして洋介くんのこと。

あまりにヒドすぎて言うことが出来なかったってこと。


ウィルはずっと黙って聞いた後に


「俺はお前の何やねん?なんで1番に相談してくれんかったん?まじ情けないわ。」


そう言って帰って行った。


心の中でずっとウィルに謝った。

この頃からメールは長文で絵文字とかも普通に送れるようになった。



夜にずっとウィルとメールをしていた。


「ウィル、ほんまゴメン。言いたくても嫌われるのがこわくて言えんやったんよ。」


「俺が里美のことそんくらいで嫌いになる思ってたんか?ただどうせ役に立たんし言っても意味ない思てたんやろ?」


「違うって!何やねん、そのマイナス思考。あんたに嫌われて1人になるのがこわかったんよ。志穂にも話せへん。嫌われたくないねん、ほんまに。」



この返事は返ってこなかった。
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