実話~運命~
センター問い合わせを何度も繰り返したけど出てくるのは”新着メールなし”だった。


ため息ばかりついていたら珍しく家にいる裕太が笑いながら


「豪くんにフラれたか、ついに♪」


言った。

こいつ…小さい頃はあんな可愛げがあったのになんやねん、この憎たらしさ。

余計イライラした。


「裕太、あんたいつもみたいな生活しとったらろくな大人になれへんで。」


「里美が言うなって。里美もろくな大人になれへんやろ。」


…里美って呼びやがって。弟のくせに。


イライラするからもう喋るのをやめた。

そのとき携帯が鳴った。


「もしもし?」


「里美、今家の前おんねん。出て来れる?」


「すぐ行くわ。」


外に出るとウィルの姿があった。


「ウィル…どうしたん?」


「俺、別れようとか言わへんよ、一生な。だから今から全て、俺に言えや。何でもな。1から無限まで言え!!どんな里美でも全部好きやから。俺のこと、信じとけよ。」


そう言うとウィルはわたしをギュッと抱きしめた。

嬉しくて、そして隠し事していた自分に腹が立った。

だから涙が出た。



「ウィル、ごめんな…。ほんまごめんな。もう隠し事しーひんから。」


そう言ってわたしも抱きしめた。
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