実話~運命~
理由はウィルの浮気やった。

ただの浮気じゃなく、ウィルは相手の子を腹ませよった。

その子は同じ高校じゃないけどタメの女の子やった。

しかもギャルでヤリマンで有名。

他人にあんま関心ないわたしでも知っとる女。


ウィルを狙っとるなんて知らんかった。



アイツは…ウィルは浮気しないっていう約束、破ってしもた。

「産みたいって言っとるし…俺、責任取ろう思とんねん。最初は金だけ出してなかったことにしようて思っとった。でも、簡単に殺してええものと違うから…。」


今冷静に思い返せばウィルらしい。

ほんま優しいからな。



その言葉を聞いたとき、わたしは強がった。


「そうなんや、ええんやない?結婚してやり。」



そしたら頭を下げ、「里美、俺ほんまお前には悪いて思っとるねん。」という言葉を発した。



ウィルがわたしから離れていく、そしてわたしじゃない子を好きになる。

ウィルの目にわたしはうつらなくなる、そしてウィルの手に繋がれてる手はわたしではなくなる。



こんなに絶望したこと、産まれて生きてきてなかった気がする。

形だけの父親、母親、形だけの祖母に色んなことをされたことがあるけど、ここまで絶望したことはなかった。


それだけわたしはウィルを信用してたから。

好きだったから。



でも最後まで強がってしまったわたしは自分で情けない。

嫌や!って言うことが出来ひんやった。



わたしは最初から最後まで素直になれへんやった。



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