実話~運命~
ワールドカップで騒ぐとすぐに夏が来た。


わたしの夏はバイトを始めた。

デートでもなく、わたしはファミレスで。

でもムカつく先輩に文句言ってすぐに辞めさせられた。

縦社会が合わないと思った。

ほんとはただ、協調性がなく、ガキなだけやったんやけど。


生きていけるのだろうか、この先。

こんなことではしょうもない人生になるんじゃないだろうか。

こんなんじゃまともやと人に認められへん。


そう思って次はドラッグストアでバイトを始めた。

ここは人間関係がよく、やさしく教えてくれる年配のおばさんのお陰でうまくいった。

レジをしたり、商品を補充したり忙しかったけど、化粧が好きなわたしは化粧品コーナーにまわしてもらえて楽しかった。


バイトはずっと続けた。

遊べなくなったけど、働いてると思い出さずにすんだから。

裏切られたウィルのこととか。


もう子ども産まれてるんやろうな。

とか考えると胸がギュッと苦しくなった。

誰もそのことに触れてこんし話題にのぼらんやったお陰で弱さを出すこともなくすんどった。


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