実話~運命~
それから数日たった冬真っ只中、わたしはヤスさんに電話した。


「里美か?」


「なんでわかったん?」


「もう連絡来る思てたわ。どうした?なんかあったか?」


「一歩、踏み出すわ。まずそれが最初なんやろ?」


「そや。踏み出したら世界変わる。」


「わかった。もう辛いこと忘れる。鍵、かけるわ。これがわたしの一歩やから。」


「ええんやない?里美、今何しとるん?ご褒美やるから出て来い。」



そういうことでヤスさんと会った。



ここでヤスさんのことをちょっと聞いた。




歳は25歳。

桜井康孝という名前。

仕事はスカウト。

幹部。



でも後から知ったけど嘘ばっかりやった。
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