実話~運命~
他にもこわいことがあった。


ソープをしてることを友達に知られること。


でもこれがきっかけでわたしはこの生活から抜けれることになる。



どこで聞いたのか、どっから仕入れてきたのかわからん。

たまに連絡してはきてたけどこの日、志穂からの連絡は異常だった。

猛も鈴も義孝も譲二も。


わたしは志穂からまたかかってきた電話に出た。



「なぁ、里美。今日会えへん?」


会いたくなかった。

作り笑いしか出来へんから志穂には見抜かれるってわかってたし。


でも志穂はこの日、引くということを知らないかのように会うと言い続けた。


あまりの迫力にわたしは夜、会うことにした。


志穂だけや思ってた待ち合わせした店には猛と鈴と譲二と義孝もおった。



「里美、ほんとのこと言って?あんた…風俗おるってほんまなん??」


志穂は泣きそうな顔でわたしに聞いた。


わたしはその瞬間、我慢していたものがすべて溢れた。

発狂したように狂ってしまった。

それを志穂も泣きながら撫でてくれた。


鈴はずっと泣いとった。

猛はバカや…とずっと言ってた。


でも誰1人わたしを見捨てる人はおらんかった。



わたしが今、生きてるのは彼ら、彼女らがいたからって思う。

支えてくれてたものは友達だった。


こっちに来る前、友達なんて1人もおらんかった。

いらんって思ってた。

でもこんなわたしを支えてくれて、信じてくれる仲間が出来たことはわたしの誇りだと今でも思う。
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