その一瞬に、恋をした
「Sea?…海ってことか」

看板には青いペンキで「Sea」とかいてあった。

「レストランらしいよ?ほら、潤亜、いこう」
「うん」

なんかほんとに真っ白な建物。海外ドラマに出てきそうな感じ。
2階にはベランダがあって、洗濯物がゆらゆらとゆれていた。

扉をひらくと、ベルが鳴った。

「はーい、いらっしゃーい」

でてきたのは、筋肉質な男の人。日焼けした肌とか、鋭い目とか、ガチガチの筋肉とは裏腹に口調はやさしいし、エプロンがピンクで軽く笑いそうになった。
結構かっこいい。
年は…40ぐらいかな?

「こんにちは、あの…」
「あ、もしかして君たちかな?亮二さんの娘さんと、その友達って」
「あ、はい。そうです」

亮二ってのは、凛のお父さん。

「待ってたよ。俺は片桐雅司。この店の主人ね、一応。よろしく」
「はじめまして、桜木凛です」
「浅野潤亜です」
「よろしく、凛ちゃん、潤亜ちゃん」
「よろしくお願いします」
「あの、この店…ひとりで?」
「いーや、若いのがあとふたり…お、噂をすれば帰ってきた」

ベルが鳴った。
振り向くとそこにはふたりの男。
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