その一瞬に、恋をした
黒髪と茶髪…

「あっ!」
「ちっ、なんだよ。今日から来る子って…このブスかよ」

黒髪の男が悪態を吐く。

「こら、袖都、明希、海から帰るときは裏口っていってるだろ!」
「ごめんごめん、すぐ着替えて来っからさ」

そういうと、ふたりはぱたぱたとどこかへいってしまった。

「ごめんな、生意気だろ?」
「い、いえ。息子さんですか」

あまりに驚き過ぎて、声が裏返ってしまった。

「いや、居候ってか、あずかってるってか…ま、微妙なところだよ。あ、髪黒いほうが、綾瀬袖都(アヤセシュウト)。茶髪が五月女明希(サオトメアキ)な」

袖都くん…か。

なぜか胸がドキドキしていた。
あんなにむかつく奴なのに、会えて嬉しいとおもった。

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