その一瞬に、恋をした
「なあ、明希」

明希が振り向く。

「あのふたり、どう思う?」

首を傾げる明希。
意味が分からないとでもいいたさげな顔だ。

「ごめんな、意味わかんねぇよな…なにいってんだろ、俺」

なんかおかしい。

心臓が動いてんのがわかる。しかも結構はやく。顔熱いし…俺病気かな、マジで。

明希が俺のTシャツの袖をひっぱるところで、意識が現実に引き戻された。

「あ、ごめん」

階段を降り、1階の店に行くと、まだふたりはいた。

「おー、紹介する。潤亜ちゃんと、凛ちゃん。8月末まで、ここにいるから、よろしくな」
「…なんで」
「俺の知り合いの娘さんと、その友達だ。この島に旅行にきたそうだ」
「かわったやつら。なんもねぇのに、こんなとこ」
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