だから貴方を…
第一章 autumn encounter
高校時代から付き合ってた彼氏
別れる事なんて考えた事なかった
だからまさか
浮気してたなんて
気付くわけなかったね。

そんなお気楽な私は当日18歳。
夢や特にやりたい事もなくフリーターになった。
高校卒業してバイトする日々。
失恋した心を忘れたくて
無我夢中で毎日バイトした。
あの日までは…

いつもと変わらず仕事終えて帰ろうとした時
聞き慣れない声が私を止めた。
「お疲れ様」
顔は知ってたけど
ただ隣の店員さん
それだけで話した事なかった。
突然の声に驚きながら
「あっ、お疲れ様です」
「毎日居るよね?」
「あっ、はい…」
「俺、タカシ。
ここの雇われ店長。」
「ナナです。」
緊張して 顔が熱くなるのが自分でも分かった。
「照れ屋?」
「ううん」
バレバレですけど的な笑い方してみせるあの人に
何故だか癒された。
「また明日な」
「明日ね」
こんな会話 久しぶりだっけ
なんて思いながら
いつもの帰り道が夜なのに明るく見えた。
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