〔完〕本当の愛をあたしに教えて
そして、あたしに次の瞬間
大きな勇気が来た。
「・・・翔先輩!!」
自分たちの後ろからのいきなりの翔先輩を
呼ぶ声に驚いた周りの人がいっせいに
あたしのほうを見る。
そして、翔先輩のまわりにいない
男の子も封筒を探している女の子たちで
さえ作業を止めていっせいにあたしのほうを
見た。
ここまでたくさんの人に
注目されるのはあの婚約会見以来で
もともと公の場が苦手あたしにとっては
最悪の状況を自分で作ってしまった
ともいえる。
でも、もうこれで気づかれなかったら
あきらめよう。
その覚悟で言った
わたしの翔先輩への言葉では確かに
翔先輩へ届いたのがわかったのは
次の翔先輩の言葉だった。